美らアロマ美らコスメ vol.9 シークヮーサー
親戚の家の庭にあるシークヮーサーの木に花が咲いた時、その花の香りをかいでみると私の最も好きな香りであるネロリの香りに似ていたことがとても印象深く記憶に残っています。
ネロリとはビターオレンジの花の香りを言いますが、やはり同じ柑橘系であるシークヮーサーの花は、見た目も香りもとてもネロリに似ていたため、私にとってシークヮーサーは特別な果実になりました。
シークヮーサーは、奄美諸島から台湾にかけて自生するミカン科の常緑低木で、和名を「ヒラミレモン」といいます。沖縄の方言で、「シー」は酸っぱい、「クヮーサー」は食べさせることを表し、シークヮーサーとは酸っぱい食べ物という意味なのです。
県内では3月頃に白い花が咲き、8月〜9月に収穫された青切りのものは、お刺身や焼き魚にかけたり、醤油と合わせてポン酢に使ったりと、レモンのように薬味として使われることが多いです。その後10〜12月になると徐々に実が黄色く色づき、甘みが増して、そのまま食べたりジュースに加工されたりしています。
沖縄では、名護市と大宜味村がシークヮーサーの主な産地ということで、12月中旬、私は名護の勝山シークヮーサーさんを訪れました。今季最後の搾汁中の工場内は、とてもフレッシュなシークヮーサーの香りが漂っていました。契約農家さんから集められたシークヮーサーは、新鮮なうちに傷んでいないか選別し洗浄され、乾燥させてから果皮ごと搾汁されています。この搾汁工程が美味しさの秘密で、手で搾り出した果汁に限りなく近づけるよう工夫されているそうです。また搾られた果汁の温度管理も徹底されているので、安定した品質で原材料はシークヮーサーのみの美味しいジュースが提供されているのです。
(2013.1.10掲載)