本書は1327ページからなる。厚さは約4センチ。辞書の風情。東西南北の有人島と無人島、総計1100島を紹介している。うち、我らが沖縄県の島は、110島掲載。
でも、沖縄のことだけ紹介されている本で充分じゃない?1島当りの情報が希薄になるのでは?そんな声が聞えてきそう。
ご安心を。本書には例えば、島の最高点の標高、世帯数、年齢構成、産業構成など、およそガイドブックには記載されていないであろう数字が記されている。だから、知りたい島≠フ雰囲気を、それらの数字から思い描くことができるのだ。それから、その島と、身近な島とで、その数字を比べてみることもできる。また明治の大合併以降の、市町村合併の経緯が記載されているのも興味深い。学校、主な出身者、ミニコミ誌、なども載っている。これらのヒントから、興味のある島ににじり寄っていくことができるのが、『SHIMADAS』の楽しさ。
それから、無人島についての記載が盛りだくさんなのも、また魅力。
石垣島に行ったとしよう。で、島一周ドライブをする。石垣島最北端の岬、平久保崎に立ったとき、あなたはきっと思うだろう。(あの島の名は?)、と。そう、岬の沖合いわずか500mほどの場所に、ゴツゴツとした岩から成る島があるのだ。けれどもガイドブックには、その島の名が記されていない。そんなときは、本書を開こう!そこにはしっかりと、島の名前、そして簡単な(簡単でない場合も多い)島の説明が添えられているから。ちなみに、平久保崎の先にある無人島の名は、大地離(おおちばなり)、だ。別の呼び名もきちんと記載されている。
名探偵気分で読むと、じつに楽しい本。それが、『SHIMADAS』。島好き必携の一冊。
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