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池上永一さんが島に里帰り
インタビュー
沖縄本島、石垣島などを舞台に作品を書かれている作家・池上永一さん。
締め切り迫る中、幼少時代から育った石垣島までお呼びし、作品秘話などを聞かせていただきました。

今回は、『美ら島物語』のために石垣島まで来ていただきありがとうございます。
  ここに来るために、毎週百五十枚ずつ入稿してきましたよ(笑)。
『バガージマヌパナス』、『風車祭』の舞台になっている島ですし、来ていただけて嬉しいです。
  生まれは那覇だけど、育ちは石垣島で実家もあるから里帰りができて僕も嬉しいですよ。
デビュー作の『バガージマヌパナス』は漫画にする予定だったそうですね。
  もともと僕は漫画家になるのが夢で、『バガージマヌパナス』はネーム(あらすじ)を書いていたら小説になっちゃったというのが真相かな。漫画に合うような形でって考えていたけど、枚数をオーバーしちゃって、読み直すと小説になっているから応募しちゃえって。
それが「日本ファンタジーノベル大賞」に輝いたのですね。
  「日本ファンタジーノベル大賞」は毎年読んでいたから、多分これだったら大丈夫かなぁって(笑)。そうしたら本当に選ばれたんです。
日本ファンタジーノベル大賞」を受賞された時は、まだ早稲田の大学生でしたね。環境の変化とかは…
  賞を取った後からは辛かったなぁ。二作目を書かなきゃいけないってのがあるからね。前の作品を上回るものを必ず書くって決めていたし。だけど、デビュー作が漫画のつもりで書いていたから、『風車祭』を出すまでの間は、どうやって書いたらいいのか、悩んで血を吐きましたよ。毎日トイレに行って、きつくて、きつくて。自分が別の世界に行ってしまったのがわかるくらい。相当神経をやられていました。今考えると笑い話なんだけど。当時はね、笑えない。もう、ハァハァハァって息切れして常に追い詰められている感じでしたね。
そのご苦労の結果、『風車祭』は見事、直木賞候補作品に選ばれましたね。あの作品はまるでG.ガルシア=マルケスの『百年の孤独』沖縄版といった感じで壮大でした。
  あれから作家のひとりとして認知を受けたわけだから、嬉しかったですよ。二作連続で話題作を出せたのは偶然じゃない。編集者の態度は百八十度変わりましたよ(笑)。
どんな風にですか?
  それはオフレコの部分が多いですね。(笑)
残念です。ところで、作品には本から飛び出してきそうな勢いのあるキャラクターがたくさん登場しますね。
  僕は物語世界の創造主だから、物語のキッカケを創るんだけど同行はできない。だから見ているだけなんですよ。見ているだけだから、「あ〜あ」とかちょっと寂しいなぁって嘆いたりしますよ。キャラクターが動きだして勝手な行動をとりだしたら、僕がキャラクターに「こうしましょ」と言っても聞く耳をもってくれないし。
「なんとかなるさ」という沖縄のテーゲー主義を登場人物達も貫いているかもしれませんね。
  そうかもしれない。
今までの登場人物で、「テーゲー主義大賞」をあげるとしたら誰ですか?
  断トツ『風車祭』のフジですね。脇役だったはずなのに、勝手放題やって主役を食いまくっていますよね。本当の主役は武志という少年なのに、まずいなぁって思ったりするわけ。でも、セーブを掛けようとしてももう止まらないんですよ。
あれ? 九十七歳の生年祝いを目標に生きているフジが主人公ではないのですか?
  違いますよ。十六歳の少年・武志とピシャーマのラブロマンス……のはずです。(笑)
長寿に人生を懸けるフジ。インパクトが強かったです。二世紀以上この世に存在するピシャーマにも強気でしたね。
  ピシャーマとフジが初めて会った時に、物語が転換したからおとなしくなると思ったんだよ。自分よりも長寿の人がいて、命の尊さみたいなものを覚えてくれるかもしれないって。だけど、全然おとなしくならないんだよね。さらにパワーアップしてくるし。あれはね。本当、目の前が白くなったよ(笑)。稀に見る不良キャラクターでしたね。「いいえ、先生、それは違います」とか食ってかかるし。
「先生」と言うことは、ピシャーマを尊敬はしているのですよね。でも、フジはピシャーマよりも長生きしそうな雰囲気がします。
  そう。実はフジは不死身なんですよ。今は百二歳になっていて、もちろん僕の「頭の中の石垣島」で生き続けているよ。風車祭の後の人生のイベントはないから、今度は島の生き証人として、自分が語り部になって栄光の歴史を語っている。ちゃんと二十二世紀まで語るよ。たまにマブイ(魂)を落としたりして。
え? 周りの人はもちろん死にますよね?
  もちろん死ぬよ。トミとハツが死んだ後は、美津子が面倒みて、美津子が死んだら、美津子の娘の優子がフジの面倒をみる。フジだけが生き続けるの(笑)。
子孫はフジの面倒をみる為に生まれてくるのですね。そんな続編も読みたいです。ところで、そんな風に物語の状況を書きとめている時、頭の中はどんな感じですか?
  意識はあるよ。自分の自我はちゃんとあるの。ただ優先順位が物語の方に行っているだけで。だから…どうなっているのかな? とにかく、手の方が速いから頭で考えている感じは全くしない。下界で起こっていることを必死に記録しているから。
えー! 作家さんはそういうものなのですか?
  他の作家の創作論は聞いたことがないからよくわからないけど、どうなんだろうね。たいていそういうのって秘密になっているじゃない。作家の創作法はそれぞれだから。最初からプロット(構成)をちゃんと固めて創る人もいるみたいだけど、僕はそうじゃない。いきなり固めずに書き出す。
それだと枚数とか、どんな風に終わるのかって予定は…
  わからないよ。ただ物語が曲がったっていうのだけはわかる。気づくと爆弾をしかけなくなっているから。前半は伏線を張り巡らせて、何かやっているなってのはわかるんだけど、ある時から埋めなくなるの。そうなったら、曲がっていることは確実。上手く、効果的に爆発してくれるといいんだけど、いつどこで爆発するのか自分でもわからないから、「おー爆発した、爆発した、そういえば仕掛けたや」って。ちょっと不思議な感じはしますよね。
はぁ…。物語が終わった後はどうですか?
  「僕を置いて行かないで〜!!」って感じ(笑)。『風車祭』を書き終えた後、上空からフジのパレードを眺めて「もう一度あの大地に戻りたい〜!! 一緒にパレードに参加したい〜!!」と心の中で叫んでいました。でも僕の外でずっと物語は続いているから…。だけど終わっちゃったしな〜と思うと寂しいでしょ。だから、メソメソ泣いてるの、トイレで。読み返すとこの人たちこんなに楽しそうにしているのに、僕寂しいって(笑)。
娘を嫁に出すより辛そうですね。
  かなり辛いです。暫くは立ち直れない。
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池上永一



































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