沖縄の歌ベスト10に選ばれた「汗水節」〜沖縄本島
ウチナーグチ(沖縄方言)で「ミーウタ」と呼ばれる“新しい唄”が年々増え続ける沖縄。もちろんこれらの新しい唄は作詞・作曲者ははっきりとわかっています。
しかし、むかしから親しまれている古い唄には、「作詞・作曲者不詳」という唄が少なくありません。むしろ作詞・作曲者がわからない唄の方がまだまだ多いのです。
今回お届け致します「汗水節(あしみじぶし)」は、「沖縄の歌100選」のトップ10入りを果たした歌です。
沖縄県内で1994年に実施されたあなたが選ぶ「沖縄の歌100選」。応募ハガキ総数40,054通の97%が沖縄在住の方。まさに沖縄の人々が選んだ沖縄の歌です。
年長者の方を中心にたいへん親しまれている「汗水節」は、ずいぶん昔からあるようにも思えるのですが、1929(昭和4)年に生まれた歌ですから、どちらかと言えばまだ新しい部類に入る唄です。
今回、作詞者の御子息にお話を伺える機会をいただけたことは、連載21回目にして初めてのこと。いままでの取材とは一味違うワクワクとした期待感をもって取材に臨みました。
『恋ししまうたの風』第21回は、島唄を訪ねて三度目となる沖縄本島・八重瀬町から「汗水節」をお届けいたします。
「汗水節」の生まれ故郷 〜沖縄本島・八重瀬(やえせ)町
「汗水節」の作詞者・仲本稔(1904〜1977年)氏の生まれ故郷・具志頭(ぐしちゃん)村は、平成18年1月1日、東風平(こちんだ)町と合併して八重瀬町となりました。
沖縄本島南端に位置する八重瀬町は面積26.90u、人口28,480人(平成25年1月末日現在)の農業が盛んな町で、町の南側は海に面しています。
町名の由来にもなっている具志頭と東風平にまたがり続く八重瀬岳、県内最大・最古を誇る「富盛の石彫大獅子」、1万8千年前の人骨化石「港川人」などがまちの自慢。
八重瀬町の代表的なイベントのひとつ「やえせ桜まつり」では、2009年から「汗水節大会」が開催。町内には「汗水節の碑」も建立されています。