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島袋浩 シマグラファー道場

「梅雨もハーリーまで」と昔から言われている沖縄。

今年もぴたりと当たり、梅雨明けとともに八重山の夏が始まった。
といっても、八重山の梅雨は雨が降らない。
特に今年は、スコールはあったものの、梅雨中の雨の日は1日だけ。


あまり知られていないが、6月は年間で一番雨が少ないというデータが残っているらしい。

確かに梅雨時期の天気図を見てみると、梅雨前線は沖縄本島に停滞していて、そこから400キロも離れた八重山とは無縁だ。


この時期は台風も来ないし、まさに隠れたベストシーズン。
やわらかい南風にどこまでも透き通る青い空。


そこに向かい咲き乱れる花々とアカショウビンの軽快な鳴き声。


そんな島の息吹が聞こえる八重山の西表島・船浮から、島のことをいろいろお届けしたい。


沖縄で6月は、月桃や百合、イジュの花といった「白い花」の季節と言われている。
西表でもそれらの白い花が5月ごろから咲いているが、そのイメージはない。


というのも、他にも赤や黄色といった色とりどりの花が無数に咲いていることと、年中白い花があること。
何より、メインであるはずの花よりも、葉っぱの緑の勢いがはるかに上回っているのだ。


だから花が目立たたない。ならばと咲き乱れる花。ならばと茂りまくる葉。
その花と葉っぱの共演で、この西表の深い山は成り立っているのだろう。

 

 

その中でもここ数年で有名になった6月の花が、サガリバナ。


花の本来の役割は、蜜と引き換えに昆虫に受粉して貰うこと。
どんなに美しく、どんなに多く咲いても、これだけの強敵なライバル揃いでは、到底敵わない。
「勝ち抜くためには?」と出た答えが、夜行性の蛾をターゲットにした夜咲きだったのだろう。


「今来ないと散っちゃうよ」と一夜限りの花になることで、ロマンチックな花の称号を手にした。
昔は田んぼの垣根にしたほど、サガリ花は湿地を好む。川沿いに生えていることが多く、その花は朝方になると川に直接散る。

 

川面に浮かび、緩やかに海へ流れ出る無数のサガリ花を、一度は見て貰いたい。

 

同じく川を流れ海を漂う、ゆうなの花が個人的には好きだ。


蛍光の黄色で咲き、昼は濃い黄色、夕方には赤っぽいオレンジに変わり散る。
コロコロ花の色が変わることから、別名「浮気花」とも呼ばれる。

 

水面をスケートするように滑っていく、ウミショウブの花。
ヒルギの葉たちは、マングローブから大海へ、オレンジ色の道を作る。


水面の話でも語りきれない西表島。

 

 

ガイドブックやネット上では知ることのできない魅力が、まだまだたくさんある。

 

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(2013.7.4掲載)