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池田 卓 船浮通信

北側の海岸線沿いにしか道路がない西表島の、道の最終地点「白浜」。
そこから、船でしか渡れない最後の集落が「船浮」だ。

八重山の空の玄関口石垣空港にも、船と車を2回ずつ乗り継がないと行くことのできない、まさに離島の離島だ。
北風が多いこの時期だと、スムーズに乗り継いでも空港まで3時間とかなり遠い。
しかし、この不便さが幸いし、手つかずの自然が残る「最後の楽園」であることも、毎回述べているとおりである。

そんな船浮での生活に欠かせないのが自家用船だ。 「一家に一台」ではなく「一家に一艘」。
マイボートと聞くと、クルージングが似合いそうな豪華なイメージだが、とりあえず浮く船に船外機エンジンをひょこっと乗せたような船がほとんどである。
ここ船浮の目の前の海は、四方八方を山に囲まれた、湖のような静かな海。
走れば十分である。
そんな中を通勤、買い物、集まりの度にマイボートで通う船浮の人々。
母も40年間、愛船じゃじゃ丸で、西表島の学校を飛び回り、とし子先生をやり遂げた。

なかなか馴染みのない船の生活。苦労もあれば楽しみもある。

まず楽しみは、やっぱり自由であること。
好きな時に好きなところに出かけられる。船さえあれば、陸の孤島だろうがなんだろうが、不便を感じることはまずない。

ただ、大変なのが台風である。
船浮では、人口44名に対して船28艘。とても船揚場に収まる数ではない。
台風が来る前に船を何艘も牽引して、マングローブの中へ非難するのだ。
前後、右左をロープで固定し、ヒルギ林の真ん中に浮かべておく。
どんな台風が来ても、マングローブだけは、ヒルギ林に守られて穏やかなのである。
マングローブからの帰りは一番小さな船で帰り、その船だけを陸揚げする。

台風が去るとまた港へ大移動。ちなみに池田家は7艘もあるから、台風前後は避難と片付けに一日が暮れる。

その船全て、2週間に一度、船底についた海藻や貝を落とさなければいけない。
1ヶ月もほっておくと、船底が海藻の養殖場のようになり、船が全く走らなくなるからだ。
また船は、ガソリンを入れれば走るものでもない。
エンジンオイル、ハンドルオイル、油圧オイル、ギアオイルなどなど、様々なオイルに消耗部品を頻繁に取り変える必要がある。
車検のように、当然船検もある。

一番難しいのが係留の仕方だ。その時の潮と風向きによって、アンカーの打つ場所、ロープの縛る場所、張り具合が変わってくる。
それを間違えると、翌朝には沈没。意外とよくある話しだ。

そんな愛しいマイボートと、車より多くの時を過ごす船浮の人々。
荒波を越え、潮を誤り砂浜に干上がり、ガス欠で大海原にプカプカ浮き、船浮と島々を行ったり来たり。

確かに不便でロスも多い船浮。

でも、もしかしたら、
船浮の人が、世界で一番、自由な人々なのかも知れない。

 (池田 卓)

(2014.11.6掲載)

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