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島袋浩 シマグラファー道場

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第4回「風のトルク」

六月の末に行われた座間味のサバニレースの撮影でレースの前日、座間味島に渡った。

その日、座間味海峡では、ヨットレースが行われていてフェリーから眺める、カーチベイ(夏至南風)を帆に受けて大海原を疾駆するヨットの美しいこと。

何度か取材でヨットに乗った事があるがエンジン音もなく、「風のトルク」で推進する感覚は、なんとも心地いいものだ、その心地よさは、カヌーにも共通する、「波のトルク」に乗った時の快感がたまらない。風も波も自然そのもの、おそらく人間は、エンジンで推進するモノに生理的な違和感があるのではないだろうか、あまりにも便利だから、違和感を無意識に払拭しているのでは、なかろうか。

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その日の座間味島での宿は、「民宿・川崎」、座間味で川崎と言う名の宿に泊まる、ややシュールな展開ではあるが、二階の開け放った窓から入る潮風が、あまりにも心地良かった、明け方など肌寒い位であった。普段、風のない街に暮らし100%クーラーに依存した軟弱者の私には、潮風が贅沢なものに感じられた。
素泊まりで一泊2500円程の宿であったが潮風サーチャージ1万円でも納得の快適さであった。

明け方、風に吹かれながら、うつらうつらとしながら、風について思考した。
なにやら風に覚醒したのか気持ち良い脳内麻薬を分泌させながら、壮大な「風と人類の仮説」なる理論を構築したのであるが、不覚にも二度寝してしまい「風と人類の仮説」はものの見事に失念してしまった(トホホッ)。

サバニレースは、座間味島の裏手にある古座間味ビーチから朝8時スタート
昔からある小振りのサバニに帆とシングルアウトリガーをつけただけの木造船を6人の漕ぎ手達がエーク(オール)とフー(帆)が受ける風だけをたよりに35km先の那覇港防波堤沖を目指す。

サバニは思いのほか早く、スタートからあっと言う間に島影に消えて行った。
取材船のクルーザーは後を追うように9時にスタートしたが、トップ集団に追いついた時には行程の3分の1程、走破していた。風を巧くとらえて、海面を滑るように走るサバニは勇壮であった。

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この日トップの船は35kmを3時間3分11秒でゴールした。
原油急騰のおりのおり、帆掛けサバニの再来か、などなど、サバニレースは様々な事を考えさせてくれた素晴らしいスポーツイヴェントであった。

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沖縄を伝える〜風景〜
(2008.07.15掲載)

美ら島物語「シマグラファー道場」第4回「風のトルク」