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第10回「サトウキビと桜とメジロ」

年明けてすぐに沖縄の島々は農繁期を迎える沖縄の基幹作物であるサトウキビの収穫で沖縄の農村地はどこも大忙しである。

子供の頃、私は今の季節が憂鬱でならなかった。実家が沖縄本島中部のサトウキビ農家で小学生低学年の頃から、サトウキビの収穫、いわゆるウージートォーシー(サトウキビを刈る事)を手伝わされていたのだ。手のあまりかからない作物として広く世界に伝播されたサトウキビであるが、収穫時、広大なシュガープランテーションなら古くから機械化されていたが、作付面積の小さな島では、ブリックス(糖度)を少しでも上げるために、一本、一本、丁寧にサトウキビを刈り取っていたのだ。
現在はハーヴェスター(収穫機)を使った収穫が主流になりつつあるが、いまでも、少しでも収益を上げようと、手作業で収穫する農家も多い。

せっかくなので私が手伝っていた頃の収穫の手順を書いてみると、まずサトウキビの銀の穂と葉っぱ部分を刈り取る、これをサトウキビの首を刈ると呼んでいた。首を刈られたサトウキビを一本、一本、ヒラリングワーと呼ばれるナタで切り倒して行き15〜20本のサトウキビをひもで束ねる、その束を所定の場所まで担ぎ、1トンずつ積み上げた山を7つ程作る。その七つの山をユニック(小型クレーン)でつり上げトラックに積む。トラックに積む作業であるが40年程前は、トラックにハシゴを掛けて人力で積み上げていた(雨の日などつるつる滑って大変だった)。その作業を黙々とこなしていた両親の姿は、今でも脳裏に焼き付いている。その後、トラックに積み上げるのにベルトコンベアーが登場し少し楽になり現在のユニックやハーベスターへと繋がって行く。

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劇的なのは、南・北・大東島で行われる収穫システムである。ハーベスター刈り取られたサトウキビをそのままトラックに積み込む方法。手作業なら 3日かかっていた行程が、30分程で済んでしまうのである。手刈り、手積みを経験したものにとって感慨深い風景なのである。

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ウージトォーシーを手伝っていた時、計算したらワンシーズン60トンものサトウキビを担いだ計算になった、その頃、成長期であった私はサトウキビやらなければ、もっと身長が伸びたはずなのにと少なからずサトウキビを憎く思ったものだが、今カメラマンを職業として重い機材を担いでも一度も腰痛を患らった事が無いのは、ウージトォーシー鍛錬のおかげだとサトウキビに感謝しているのである。

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沖縄を伝える〜風景〜
(2009.01.14掲載)
美ら島物語「シマグラファー道場」第10回「サトウキビと桜とメジロ」